1BOXタクシーの乗務日誌のようなもの

都内を走る1Boxタクシーの乗務日誌、タクシーブログのようなものです

「初乗り値下げ」、「2km以上実質値上げ」で意味があるのでしょうか?

初乗り値下げについては、拙blogでも2016.07.06の「何が狙いなんでしょう? 東京のタクシー初乗り値下げへ」というエントリーで、初乗り値下げよりも2キロ以上の実質値上げの意味が不明と記しました。

これでは、短距離客の需要喚起という効果よりも、値上げのアナウンス効果の方が大きく、利用客の落ち込みが懸念されるからです。

そして、8月5日より社会実験を行うという国土交通省のプレスリリースの配信を受けて、「『東京のタクシー初乗り運賃の引下げに係る実証実験について』というプレスリリースについて 」というエントリーで日本交通の川鍋会長の前のめりが気にかかると記しました。

 

国土交通省のプレスリリースを受け、マスメディア各社は様々な表現で「初乗り410円の社会実験開始」を伝えていますが、時事通信では早速、「2キロ以上では値上げになる」点に触れた記事を配信しています。

 「ちょい乗り」実証実験=タクシー、8月から都内で-国交省 時事ドットコム(2016/07/26-16:04)

 

短距離のお客さんを狙った初乗り値下げは、以前も行ったことがあります。

そのときは、参加した会社が少なかったのと、1キロを超えるといきなり元の初乗り額になってしまうことが不評で(記憶があいまいです、誤っているかもしれません)、元の運賃形態に戻りました。

 

このときの失敗を記憶しているドライバーは、この実験が上手くいかないことを薄々感づいているようです。

それは、ドライバーにとっても需要が喚起されなければ、売上がダウンし連動して給与もダウンすることが見えているからでしょう。

そうであるならば、なおさら「2キロ以上実質的に値上げ」というアナウンス効果は不要です。

 

短距離客への需要喚起だけで良かったものが、売上がダウンした分の穴埋めが必要というスケベ根性が出たのでしょう。

つまり、机上の計算では、需要が喚起されないことを想定した穴埋め策を考えていたことになります。

これでは、せっかくの需要喚起の効果も半減します。

 

本当は、もう少し裏のお話もあるのですが、それは別の機会に譲ります。

 

でも、これだけは記しておきたいと思っています。それは、社会実験の参加企業一覧から読み取れることです。 

PDFの資料になりますが、国土交通省のプレスリリースの別紙2枚目の社会実験参加企業一覧を見ると、東京のタクシー初乗り運賃の引下げに係る実証実験について ~初乗り410円のタクシーを利用することができます。~ 別紙

選定される車両は40車両。参加タクシー会社は23社

うち、日本交通は6営業所全てで参加しているのに対し、他の大手4社は、国際自動車帝都自動車交通は1営業所のみ、大和自動車交通にいたっては、いわゆる本体からの参加は無くフランチャイズ会社のみの参加。

準大手3社では、グリーンキャブと日の丸自動車は参加していますが東都は参加せず。

大手無線グループでは、東京無線とチェッカーキャブが5社づつの参加と、各社・各グループの熱の入れ加減が伺えます。

 

いずれにしても社会実験の後、「2キロ以上実質的に値上げ」が改善され、短距離客の需要喚起だけが目的という本来の形になることを希望しています。

 

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