1BOXタクシーの乗務日誌のようなもの

都内を走る1Boxタクシーの乗務日誌、タクシーブログのようなものです

Uber推進の人たちって、タクシーを普段タクシーを使わない人たちなのかな?

正確な数字を示せなくて申し訳ないのですが、東京23区内のタクシー台数は3万数千台。

この台数から想定するに、タクシー乗務員として登録されているのが6万人前後ではないでしょうか?

 

Uberのドライバーは、何処から確保するのでしょう?

タクシー乗務員からあぶれた人、興味があってやってみても良いかな?と思った人たち、様々な想定が成り立ちますが、彼らがセミプロとして常時働くとなると、現在のタクシー乗務員から地殻変動的な移動が無い限り確保するのは難しいのではないでしょうか?

 

少なくとも1千台近くの車の稼動が無ければ、無線配車への対応は難しいと聞き及びます。

まともに稼動させるためには、この程度のスケールが必要なのですが、それをどのように確保するのか方策が見えてきません。

それは、現状のタクシードライバーの恒常的な不足状態を見れば説明をするまでもありません。

 

シェアエコノミーでは、需要過多か供給不足でなければビジネスモデル成り立たないと、幾度も述べてきましたが、それはドライバー確保の面でも言えることです。

例えば、アメリカの大都市のタクシー事情を考えると、タクシーの供給不足であり、潜在的なドライバーが余っている現実が、ライドシェアを推進している力になっているのは疑いようもありません。

 

さて、そんな状況下でUbe賞賛の記事が配信されました。

Uber、予想をはるかに超える優れモノだった…タクシー運転手が全員クビの可能性も 

Business Journal  2016.10.12

 

記事を読むと、残念ながらこの筆者の星野氏は日本国内でのタクシーユーザーでないことは自明です。

タクシードライバーに対する不安感を煽るような記事展開をしていますが、氏の列挙する不安感はそのほとんどがアメリカなどの諸外国のタクシーに対する不安であり、日本のタクシーでは解決済みである問題がほとんどです。

また、Uberという仕組みを使えば解決する問題でもなく、タクシーだからと言って問題視されるようなものではないと思います。

 

価格訴求力。

Uberがこの一点を攻めてきたら、タクシーも適わないかもしれませんが、先に記したようにドライバー確保の問題を考えると、目の前にタクシーはいるけど数十分待てるというところまで、訴求力が上がるかどうかはちゃんと考えなければならない問題だと思います。

そして、価格訴求力のみ、つまり安ければ何でも良いというライドシェアを望まれているのかどうかは、考える必要が有るところだと思います。

 

私、タクシー乗務員になる前はタクシーのヘビーユーザーでした。

10数年、ほとんど毎日のように1万円弱の距離をタクシーで帰宅していました。

その感覚からすると、早くそして安くの順番でした。

いわゆる価格の安い白タクも使ったことはありますが、良い印象は持っていません。

やっぱり、どう考えても安かろう悪かろうだと思うし、もしタクシーと競合するようになれば、繁華街の渋滞発生率は今より確実に上昇することでしょう。

 

Uberを賞賛しているしている人たちのほとんどは、タクシーユーザーではないし、Uberが23区で解放されてもほとんど利用しないライトユーザーなのでしょう。

使ってた立場からすると、そう思えてならないのです。

 

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Uber、予想をはるかに超える優れモノだった…タクシー運転手が全員クビの可能性も 

Business Journal  2016.10.12

●タクシー業界に旋風を巻き起こすウーバー

 タクシー業界というと、景気のあおりを真っ先に受ける業界の一つとして知られている。調べてみると、国内のタクシー台数総数はピークの2007年には法人個人合わせて26万7000台あったが、14年には22万8000台と、わずか7年で15%減少している。売り上げでみても、同期間に2兆700億円から1兆7000億円と18%減少し、台数の減少以上の縮小速度だ。タクシー業界もまた、市場の縮小に伴い競争が激化する市場の一つといってもよいだろう。

 ただでさえ厳しい状況に置かれる日本のタクシー業界であるが、追い打ちをかけるように新たな脅威が海外から上陸した。スマホハイヤーを呼べる配車サービス、「Uber(ウーバー)」である。アメリカ発のこのサービス、海外、とくにアメリカでは猛烈な拡大を続けている。09年創業であるが、売上がすでに1兆円を超えたようだし、企業の時価総額では15年末にはGMやホンダを抜いたというから驚きだ。

 日本ではタクシー業界の強い反対もあり、今のところ参入が限定的であるが、イノベーションに目がない筆者としては見過ごすわけにはいかない。

 そこで、このたび、アメリカ出張を利用して、今さらではあるが現地でウーバーを使ってみることとした。出張先のロサンゼルスで、実際にウーバーに乗ってみたのだ。

 結論からいうと、予想をはるかに超えた優れたサービスだった。近い将来、ものすごい勢いで世の中を変えてしまう可能性も強く感じた。いろいろと思うところがあったので、今回はウーバーについて書いてみたい。

●使い方は簡単

 ウーバーを使うには、まずはスマートフォンスマホ)などでアプリをダウンロードする必要がある。これは非常に簡単。もちろんアプリは日本語で、ダウンロードはすぐ終わる。その後、会員登録するだけで準備完了。

 さっそく、ロサンゼルス国際空港に到着するなりスマホを開き、ウーバーアプリを立ち上げてみた。

 すると、画面に表示された地図上に、自分がいる位置が「出発地」として正確に表示される。やるべきことは、目的地の住所を入力し、配車依頼のボタンを押すだけ。その間、30秒。するとあっという間に配車が完了し、「あと8分で到着します」とアプリ画面に表示された。

 アプリの地図上には、自分のいる位置と、迎えに来る車の位置がリアルタイム表示される。加えて、ドライバーの名前と写真、これまでのユーザー評価(5点満点のスコア)、車の写真と番号が表示される。常に「あと●分で到着」と表示されるため、「あとどのくらい待つのか」というストレスはない。

 たとえば、「運転手のマリア(写真付き)が、グレーのホンダで、8分後に迎えに来る」ということがわかるうえ、目的地までのルート、距離、時間、料金見積もりを見ることができる。

 車は時間通りに待ち合わせ場所に車が到着し、そのまま乗り込む。今回の運転手は、エルサルバドル出身の50代の女性で、過去の利用者の評価は5点満点中4.8点。20年前にアメリカに出稼ぎに来て、そのままロスに住んでいるという。最近失業したのでウーバーの運転手に登録したとのこと。つまり、完全に一般の女性だし、車両は彼女所有の一般車だ。

 乗車すると、さっそく出発。行き先は配車時に知らせてあるので、説明する必要はない。スマホのナビに従い最適ルートで運転してくれるので、こちらも安心だ。

 30マイル(約48キロ)を40分で走り、料金は38ドル。同じ時間に同じ経路を一般のタクシーで移動した同僚は、チップも含めて100ドルかかったことから考えると、かなりのお得感だ。また、事前に登録してあるクレジットカードから引き落とされるので、到着後の支払い(現金の授受やカード精算)も必要なく、すぐに降りられる。料金にはチップも含まれているので心配ない。日本と違い大きな現金を持ち歩きたくない土地柄では、これは意外とありがたい。

 降車後に領収書がメールで送られてきて、移動距離、所要時間、掛かった料金が表示される。また、運転手の評価を問われる。星の数(1~5個)で聞かれるわけだが、その平均がドライバーの評価として表示される。スコアが基準値を下回るとクビになるそうで、運転手のサービス精神は高まるし、評価の高い運転手に仕事が回る仕組みになっているのも利用者としては安心材料の一つ。

●圧倒的な安心感

 実際に使ってみて強く感じたのは、海外でタクシーに乗る際の不安をすべて払しょくしてくれる、その圧倒的な安心感だ。

 経験者はおわかりだと思うが、海外でタクシーを利用する際には、以下のようなさまざまな不安が付きまとう。

・行き先を正しく理解してもらえるかどうかの不安。こちらの英語力だけでなく、出稼ぎ運転手の場合、先方の英語力にも不安があったりする。
・最適ルートを通らないのではないか、わざと遠回りされてぼったくられるのではないかという不安
・料金がいくらかかるかわからない不安。チップをいくら払えばよいのかわからない不安。
・手持ちの現金が足りるのか、100ドル札を受け付けてもらえるのか、カードは使えるのかといった、支払いに関する不安。
・そもそもタクシーが呼べるだろうかという不安。日本のように、流しのタクシーがある都市はごくまれで、普通はホテルなどで呼んでもらう。また、呼んだタクシーをどのくらい待たねばならないのか、そもそも本当に来るのか、という不安もある。
・車両に関する不安。タクシーが、日本の基準からは考えられないくらい汚れていたり、古かったりして、乗り心地が悪いことも多い。

 ウーバーは、これらの不安をすべて払拭してくれる画期的なサービスだ。つまり、日本人が外国でタクシーを利用する際には、非常にありがたいサービスだということがわかる。

●ウーバーに乗ってみて考えたこと

 ウーバーを体験する喜びのなか、考えたことがある。ウーバーの普及は、実は、近い将来確実に訪れる自動運転普及の序章にすぎないのではないかと。なぜなら、配車、乗車、支払いに至るまで、運転以外の部分はすべて人を介さずにスマホでできる。かつ、運転手に行き先を告げる必要はないし、支払いも自動で行われるので、運転手との会話が一切必要ないのだ。つまり、運転手が人間でも、ロボットでもどちらでもよいということ。

 ということは、いつの日か自動運転が実現した瞬間に、ウーバーは運転手を全員クビにして、自動運転の自動車に置き換えるだけで、一気に自動運転タクシー会社となる。そうなると、ウーバーが採用した自動運転車、数百万台が世界中を走り回り、自動運転情報をどこよりも早く集積することが可能となり、ウーバー自身の自動運転の品質がさらに向上するという好循環が生まれるのではないか。

 あるいは、そこで蓄積した情報を活用して新しいビジネスが展開できるかもしれない。自動運転車を開発したメーカーから、「タダでもいいから、わが社の自動車を使ってほしい」という依頼さえくるかもしれない。

 そう考えると、トヨタがウーバーに出資した思惑もなんとなく見えてくる。また、同時に、日本政府がウーバーの本格参入を阻むことが、長期的に正しいのか疑問がわいてくる。

 自動運転の普及がわれわれの生活に与える影響はさまざまであるが、本連載の第3回『自動運転普及のインパクト』で触れた未来が、もうそこまで来ているのかもしれないということを強烈に感じた体験だった。しばらくは、ウーバーの動きから目が離せそうにない。
(文=星野達也/ノーリツプレシジョン取締役副社長、ナインシグマ・ジャパン顧問)