「累進歩合制度は廃止してください」と厚生労働省が告示、それを謳うのはブラックなタクシー会社の第一歩かな…
タクシーには様々な規制がかけられています。
その中には、業界の中にどっぷり浸っていても疑問に思うような規制もあれば、私たちドライバーを、ひいてはお客さんを守るための規制も多くあります。
その中で、一度紹介しておきたいと思ったのは、労働時間と賃金に関するものです。
タクシー運転者の労働時間等の改善基準のポイント 厚生労働省(pdfファイルです)
タクシードライバーは、隔日勤務であれ、日勤であれ、一日の最大拘束時間が決まっています。
そして、月間単位でも最大拘束時間が決まっていて、乗務してから次の乗務までの最低休息時間も決まっています。
この基準の良し悪しは別にして、これは乗務員が運転業務を行うにあたって、最低限守らなければ安全な業務の遂行ができないとから定められているものです。
さらに、この基準を満たした上で賃金のあり方も定められています。
この業界で、賃金の問題で以前から問題になるのは「累進歩合制度」なのです。
これについては、6ページに「累進歩合制度は廃止してください」と記されています。
累進歩合制度とは、例えば、月間の稼ぎが50万までなら50%、50万~55万までなら55%、55万から60万なら60%というように階段を上がるように歩率が上がっていく仕組みのことです。
何が問題なのかといえば、例えば月の稼ぎが、54万9千円だった場合、あと1千円売り上げるために無理をしてしまう恐れが高い仕組みということ。
休み(有給を含めて)を取ると、極端に歩率が下がる場合があるので、有給休暇の取得の妨げになること、などが問題視されています。
さて、残念ながら多くのタクシー会社で賞与分まで含めると「累進歩合制度」が残っているようです。
それでもタクシー会社は厚生労働省から告示されていることもあり、それを表立っては謳わないものなのです。
しかし…
文化の違いなのか、どうなのか分かりませんが、自社を累進歩合と謳い、だから優良企業のようにブログの中で語る姿は、滑稽以外の何者でもありません。
少なくとも、その様なタクシー会社は「ブラック」です。
自社を「ブラック」と気付かず働き続けるのは、自己責任の範疇のような気もしますが、業界を知らない人に「ブラック」を勧めるのは、「ダメでしょう」と思うのです。
時々、こんな話題も触れておかないと…
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