1BOXタクシーの乗務日誌のようなもの

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細川幸一教授の説を逆から考えてみたら需要は喚起されるのか?

最近、タクシー運賃の時間併用制について「おかしい」という主張をよく目にします。

東洋経済に掲載された、日本女子大学の細川幸一教授も、その立場から時間併用制が、タクシーの需要喚起の邪魔をしているという論を展開しています。

 

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このような場合、時間併用制が無かったら需要喚起が落ちなかったのか?という逆の視点から考えてみると、たぶん答えは明らかで、はじめから時間併用制が無かったとしても、需要は落ち込んでいた。これは明らかでしょう。

タクシーの需要が落ち込んだ最大の理由は、会計制度のグローバルスタンダード化に伴う、接待費の削減。という黒船があり、景気の落ち込みと共にタクシーチケットの利用制限を各企業が実施したため。それが最も適した回答であり、それ以外のタクシー制度に関する話は後付に過ぎないものが多いのが現状です。

つまり、時間併用制が無くても需要は落ち込んでいたし、それをなくしたからと言って喚起されるほどの需要は無いのが実情ではないでしょうか?

 

時間併用制度に関しては、事故発生の危険率の上昇とお客さんの価格に対する安心感のバランスがどのあたりにあるのか?分からないので、空論ではなく実体論が待たれるところだと思います。

その意味では、運賃の事前確定制度やタクシー定期券制度は、実体の伴った実験なんだと見直したりもしています(笑)。

 

ただ、この様な曖昧な感情論が理論武装の装いを持って語られるときは注意が必要だと思っています。

その意味でも、最近の「時間併用制叩き」は異様に感じますし、何かの意図があると思って考察した方が良さそうです。

 

このブログでも何度も取り上げていますが、タクシー料金が高いのはタクシーの台数が多いからであって、市場規模に対して適正以下の台数であれば、料金は必然的に下がります。

諸外国のタクシー料金が安いのは、この為で、この視点を抜きにタクシー運賃の高廉を語るのは、議論の本質から外れていくだけだと思っています。

本当にタクシー運賃を下げたいと願うのであれば、是非、世界的に標準的な人口比率のタクシー台数に日本のタクシー台数を抑えるような論を展開していただけると、大変助かります。

 

 

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