1BOXタクシーの乗務日誌のようなもの

都内を走る1Boxタクシーの乗務日誌、タクシーブログのようなものです

高橋洋一教授の説では、NYのタクシー料金が安い現実を説明できません

日本のタクシーは高いといわれています。

たぶん、規制改革論者は、その高いタクシーを諸外国並みに下げたいのでしょう。

しかし、様々な統計がありますが、日本のタクシーが高いのは、アメリカや東南アジア諸国に比べてであって、ヨーロッパ諸国に比べると高くありません。

(単純に、5キロ走行するのにいくらかかるという比較では、日本はヨーロッパ諸国と比べても高いようですが、物価指数を勘案すると高くなくなります)

 

では、よく比較の対象となるニューヨークのイエローキャブはどうして安い価格で運営できているのでしょうか?

タクシー会社という仕組みではなく、協同組合形式なので中間コスが安いこと、ガソリン代が安いこと…

などの理由が挙げられそうですが、最大の理由は、参入規制が厳しく1台あたりの利益が確保されているからといえます。

 

つまり、ニューヨークのタクシーが安いのは、自由競争の結果ではなく、参入規制の結果なのです。

もし、東京のタクシー運賃をニューヨーク並みにしたいのであれば、自由競争をさせるのではなく、台数を減らし、1台あたりの利益を確保し、その上で運賃を下げる方法しかありえません。

 

高橋洋一教授の理論が破綻しているのは、この一点だけでも明らかです。

 

高橋教授は「政策が悪い」と主張していますが、政策は経済学の理屈だけで決まるものではありません。

さらに、目標としているニューヨークのタクシー運賃の成立過程が、その経済学の理論では説明つかないのであれば、なおさらです。

 

格安タクシーがその存在を示すため、全国で裁判を起こしています。

その一方で、これらの会社が賃金未払いの裁判を起こされているのは、過度な自由競争の行く末を象徴しているように思えます。

 

経済学的には、自由競争が価格を定めるのは正しいのでしょう。

しかし、過度な自由競争は、価格を下げる効果を生まないばかりか、弊害のほうが大きくなります。

その事実も見据えるべきなのです。

 

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