「運賃事前確定サービス」、実はお客さんは得をしない!?
日本交通の川鍋会長が導入に意欲を示している、タクシー運賃の「事前確定サービス」ですが、実はお客さんは得をしない(損する)仕組みではないかと疑っています。
事前確定サービスについては、「仕事が出来ない方への標準化 タクシー事前運賃確定制度の導入について」と「『事前確定』サービスとカーナビの示すルート」の2つのエントリーで、タクシードライバーの「ウデ」を無視したドライバーの質の低下を招くものであることと、カーナビやGoogleマップの示すルートは近いルートでも安いルートでもない実情を記しました。
今回のエントリーは少し角度を変えて、お客さんにとって本当に有益なサービスなのか?という視点で記してみたいと思います。
このサービス導入予定のプレスリリースに対して、概ね歓迎のコメントが多く寄せられていました。
それは、タクシードライバーへの信頼の無さの裏返しであり、「安くなる」とい期待感の表れではないかと思っています。
確かにタクシーを電話やアプリなどで呼ぶことを考えたら、事前に運賃が確定しているサービスは有益なのかもしれません。
しかし、都内では24時間、大通りならば確実に空車が走っているのが実情で、なおかつタクシーを利用しようと思えば目の前に空車がいることがほとんどです。
そんな環境下で、あえてこのサービスを使ってまでタクシーを呼ぶのでしょうか?
タクシーを呼べば、無線グループによって410円や310円の迎車料金がかかります。
この事前確定サービスで、羽田や成田、TDR定額のように芸者料金込みの運賃設定になるとは考え難く、示された運賃+迎車料金をお客さんに支払ってもらうことになるのでしょう。
そうであればなお更、普段から迎車を利用しているお客さんにはメリットが大きそうですが、流れているタクシーを拾うなり、タクシー乗り場から利用されているお客さんにとっては、迎車車両の到着までの時間をロスし、運賃も運賃だけなら安いかもしれないけど、迎車料金まで含めたら高くなったなんて事態が発生してもおかしくありません。
つまり、目の前にいるタクシーを利用する方が、安いし早いのだと思います。
安くなりそうな振りをして、実は高くなっている…
初乗り運賃410円に改定でも、同じ構図が見て取れます。
お客さんのことを考えていそうで、実は利用運賃は高くなる。
川鍋会長が推し進める施策は、そんなのばかりのようです…
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