タクシーの価格競争について
東京では、格安タクシーが入ってきたときに、安易な価格競争はしない!と日本交通をはじめとする大手4社が頑張ったので、中小各社も価格競争に巻き込まれずに済みました。
お客さん側からすれば、安い!にこしたことは無いのでしょうが、安易な価格競争が企業の体力を奪い、結果として末端の従業員にしわ寄せが行くのは、例えば牛丼チェーン店の値下げ競争を見ていれば、分かることです。
幸いにしてタクシー業界の場合、A社が価格を下げたから追随して下げることはし難い(運賃認可制なので)業界なので、値下げ競争は起き難く、先行して価格を下げた会社にアドバンテージがあるようにも見えます。
でも、どうなのでしょう?
選挙のことでも触れましたが、認可制運賃というのは規制改革のヤリ玉に挙げやすく、価格を自由に決定できないのはおかしい、と主張している自民党の参議院議員、いえブラック企業の経営者を知っています。
つまり、価格を下げた会社のアドバンテージは、時代の変遷の中で、アドバンテージで無くなる可能性を持っていることは自覚しておいた方が良さそうに感じます。
ところで、価格競争の行き着く先は末端の従業員の疲弊でした。
これは、たぶんどの業界でも同じで、だからデフレからの脱却が叫ばれるのは必然だとも思うのです。
タクシー業界でも、末端のちょっとドンくさいドライバーが一番疲弊して行くのでしょう。
つまり、一番運賃が安い会社は、一番ドライバーのことを考えていない会社と言えそうです。
そして、ドライバーが疲弊するとお客さんに直接の被害が行きますので、確率的には一番安い会社は、一番お客さんのことを考えていない会社とも言えるのでしょう。
その様な会社で生き残るのは、どこでも生き残れるタイプのドライバーか、自分では稼げない金額を楽勝!と書き、他人を不幸にすることで、その紹介料という養分を稼ぐか二通りしか無いんだろうと思います。
価格競争が必要な場面を否定はしません。
でも、安易な価格競争は一番弱い末端のドライバーの疲弊を生むのは、他の業界でも証明されている事実だと思います。
このブログでは何度もタクシー運賃を下げたければタクシーの台数を減らすのが一番の近道と唱えてきました。
それは、例えばニューヨークのタクシーが安いのは価格競争の果てにたどり着いたのではなく、新規参入を抑えた結果という事実を基にしたお話しです。
日本のタクシーが高いのは台数が多いから、そんな逆説的な真実を時々書き連ねたいと思っています。
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