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タクシー格安運賃訴訟、国側の敗訴確定のニュースに一言

タクシーの格安運賃の妥当性が争われた訴訟で、国側が期限までに上告をしなかったため、二審の国側敗訴の判決が確定することになりました。

このニュースについて、少し感想を記したいと思います。

 

まずは、記事の引用から

タクシー運賃、値上げ強制の国敗訴確定 iZa 産経新聞 2016.7.4 13:11 配信

 タクシー業界の過当競争を是正する名目で、国が初乗り運賃の上限と下限を定めた現行の「公定幅運賃」は違法だとして、下限より安い初乗り510円で営業するタクシー会社「寿タクシー」(大阪府東大阪市)が国に値上げを強制しないよう求めた訴訟は、期限の1日までに国が上告せず、値上げ差し止めを命じて国側敗訴とした2審大阪高裁判決が確定した。

 同様の訴訟は大阪、福岡などで6件起こされ、今回の1審を含む3件の地裁判決で国側が敗訴。高裁でも立て続けに敗訴していた。国土交通省は3月、大阪や京都など全国11地域で下限運賃を引き下げる方針を発表している。

 寿タクシーの訴訟で先月17日の大阪高裁判決は、1審大阪地裁に続いて「従来の制度で認可されていた格安タクシー会社の経営実態を考慮せず、国が下限額を設定したのは裁量権の逸脱にあたる」との判断を示していた。

少し厄介ですが、この裁判は従来認められていた格安運賃を、運賃改定を行った際(この場合は、消費税増税に伴う運賃改定)に、新たに定めた運賃の下限幅を下回ることになったので、認可されなかったのは違法とする訴訟でした。

そして、従来認められていたものが、法律が新しくなったからといって認められないのは裁量権の逸脱にあたると判断されたものです。

 

規制緩和から規制強化へと、タクシーをめぐっては政策の大転換が行われたわけですが、その政策転換そのものが裁判所によって否定されるとマズイので、先手を打って二審で敗訴確定、加減幅引き下げで裁判そのものを終わりにしました。

 

私は規制強化に賛成の立場なので、こうやって逃げるしかない(笑)と思っていましたが、規制緩和論者からすると、最高裁で判決を確定させたかったのかもしれません。

 

いずれにしても、これで格安運賃のタクシーが増加する、ということにはならず、格安運賃の会社には監査強化という伝家の宝刀で対応し続けていくことになるのでしょう。

それが、お客さんにとっての本当の利益になるのかどうかは、分かりません。

ただ、目先の安さだけは確保されたといったところでしょうか?

  

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