初乗り410円、実証実験開始。結論ありきの実験より、遠距離割高の料金体系の方が気になります。
幾度か記していますが、「初乗りを410円にして短距離客の需要を喚起する」という手法はまだアリかなと思ったりしています。
しかしそれとセットで、短距離を値引く代わりに4キロ以上(1500円弱くらい)の利用客は、若干割高になるのはナシです。
正確に記せば「短距離値引きます・遠距離若干値上げします」とセットでうたえば、アリなのでしょうが、短距離の需要喚起しかうたっていない現状ではナシです。
この仕組みを見たときに、一般的に思うのは、「短距離客の需要喚起なんて無理」と経営者が考えていることでしょう。
だから、会社としての売上を落とさないために、遠距離客からすこしづづ穴埋めをする仕組みを提案したんだと思います。
推進する経営者が、本気でできる!と思っていないことが実現するとは思えません。
だとするなら、こんな方策はやらないのが正解です。
日本交通の川鍋一朗会長は、タクシー王子と持ち上げられていることが多いですが、王子の考えていることがこの程度のことだとしたら、タクシー業界は不幸ですね。
本当に短距離客の需要喚起ができると思うのなら、値下げによるマイナスは客数の増加で補うべきです。
それを他の値上げで補うのは、スジちがいというもの。
こんなことは、現場の一ドライバーにだって理解できます。
証実験開始初日から、遠距離は損という記事がメディアに踊りました。
短距離客の需要喚起ではなく、遠距離客の損が強調されたものも見受けられます。
遅くても、来春には初乗り410円になるのでしょう。
その結論は決まっている上の実証実験のアナウンス効果よりも、遠距離は損というアナウンス効果を生んだ時点で、この方策は失敗だったと思います。
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参考)
タクシー初乗り410円は得か?:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京
初乗り410円の「ちょい乗りタクシー」って実際お得なの? TBSラジオ 荒川強啓 デイ・キャッチ