「タクシー一人負け」の理由、サービスが悪いからではありませんよ!
モータージャーナリスト岩貞るみこさんが、Resposeの中で「タクシー一人負け」の理由をサービスが悪いから、という前提に立って語っています。
【岩貞るみこの人道車医】「一人負け」状態のタクシー業界が激変する可能性 | レスポンス(Response.jp)
しかし、そうなのでしょうか?
私がこの業界にお世話になり始めたのが10数年前、その頃は「運輸業からサービス業に変わらないと生き残れない」と研修で語られていた頃と重なります。
さらにその10数年前から乗務員になるまで、私はタクシーのヘビーユーザーでした。
その視点から見ても、バブルの頃やバブル崩壊後のタクシードライバーのサービスと現時点のサービスを比較したら雲泥の差があると思います。
バブル崩壊後のエピソードを記せば、当時私が住んでいた東京郊外のとある市は、首都高も近くを走っていないため、下道で帰るのが「早く・安い」手段でした。
そんな状況下でタクシーを利用すると、ドライバーには露骨に嫌な顔をされ、中には仕事で疲れているにも関わらず、家に着くまでずっと「こんな距離を下道で走りたくないんだよ」と言い続けるドライバーもいたほどでした。
現在では考えられないほどの利用客とドライバーの関係性が当時はありました。
つまり、サービスという観点では、ずいぶんと遅れているとは思いますが、徐々に変わりつつあるのが現在の姿であって、サービスや仕組みが悪いから「一人負け」しているのでは無いと思うのです。
リーマンショック以降という視点で語れば、企業のチケットの数が圧倒的に減少したこと。
そして、その背景にある会計基準のグローバルスタンダード化に伴う接待交際費の削減、この大きな流れから取り残され、ガラパゴス化しているのが実情でしょう。
その意味で語れば、タクシー業界は変わらなければならないのでしょうし、遅々としたスピードではありますが変化しているんだろうと思います。
その変化のスピードが、利用者からするともどかしいのかも知れません…
ただ、現在のタクシーのほとんどは、乗車の際に、どの程度の金額がかかるのか?と尋ねられれば応えますし、高いから行き先変更になっても、嫌な顔をするドライバーも減ってきていると思います(内心は別ですが…)
つまり「はじめの一歩」さえ、踏み出していただければ良いわけで、そのハードルを下げる努力を業界も、ドライバーもし続けなければならないんだろうと思っています。
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